4060と4060tiの違いを徹底比較!性能や価格で後悔しない選び方

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最新のグラフィックボード、GeForce RTX 4060とRTX 4060 Tiのどちらを選ぶべきか、多くの人が頭を悩ませています。

見た目は似ていますが、その性能や価格には明確な差が存在するため、自分の使い方に合わない方を選んでしまうと、後で後悔することにもなりかねません。

特に、PCゲームを快適に楽しみたい、あるいは動画編集やクリエイティブな作業をスムーズに行いたいと考えているユーザーにとって、この4060と4060tiの違いを正確に理解することは非常に重要です。

性能差はどれくらいあるのか、価格差に見合う価値は本当にあるのでしょうか。

また、消費電力やVRAM容量といったスペックの違いが、実際の使用感にどのように影響するのかも気になるところでしょう。

この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、4060と4060tiの違いを多角的に徹底比較します。

ベンチマークスコアを用いた客観的な性能比較から、フルHDやWQHDといった解像度ごとのおすすめ、そしてコストパフォーマンスの観点まで、あらゆる情報を網羅しました。

この記事を最後まで読めば、あなたにとってどちらのグラフィックボードが最適なのか、明確な答えが見つかるはずです。

自分のプレイスタイルや予算に合った、後悔のない選択をするための知識を身につけていきましょう。

この記事でわかること
  • ➤4060と4060 Tiの基本的なスペック差
  • ➤ベンチマークスコアで見る具体的な性能の違い
  • ➤VRAM容量がゲームプレイに与える影響
  • ➤フルHDやWQHDなど解像度ごとのおすすめ
  • ➤価格とコストパフォーマンスの比較
  • ➤消費電力や発熱量の違いと注意点
  • ➤自分に最適なモデルを選ぶための具体的な基準

 

まずは基本から知る4060と4060tiの違い

この章のポイント
  • ■主要スペックの一覧比較
  • ■ゲーム性能での有利不利は
  • ■VRAM容量がもたらす影響
  • ■DLSS3対応の恩恵とは
  • ■ベンチマークスコアで見る実力差

主要スペックの一覧比較

4060と4060 Ti、この二つのグラフィックボードの性能差を理解する上で、まずは基本となるスペックの違いを把握することが不可欠です。

これらの数値が、最終的なゲームのフレームレートやクリエイティブ作業の快適さに直結してくるからにほかなりません。

ここでは、両者の主要なスペックを表形式で分かりやすく比較し、それぞれの数値が持つ意味について解説していきましょう。

以下に、GeForce RTX 4060とGeForce RTX 4060 Tiのスペック比較表を示します。

スペック項目 GeForce RTX 4060 GeForce RTX 4060 Ti (8GB/16GB)
CUDAコア数 3072基 4352基
ブーストクロック 2.46 GHz 2.54 GHz
VRAM容量 8GB GDDR6 8GB / 16GB GDDR6
メモリインターフェース幅 128-bit 128-bit
メモリ帯域幅 272 GB/s 288 GB/s
TGP (Total Graphics Power) 115W 160W (8GB) / 165W (16GB)

この表からいくつかの重要な違いが見て取れます。

最も注目すべきは、グラフィック処理の核となるCUDAコア数です。

RTX 4060 Tiは4352基搭載しているのに対し、RTX 4060は3072基にとどまります。

この約42%ものコア数の差が、RTX 4060 Tiが持つ根本的な性能の高さを示していると言えるでしょう。

CUDAコアは、いわばグラフィック処理を行う作業員の数のようなもので、この数が多いほど、より多くの計算を同時に、そして高速に処理することが可能となります。

ブーストクロックにおいても、わずかではありますがRTX 4060 Tiが優れています。

これは、GPUが最大限の性能を発揮する際の動作周波数であり、高いほど処理速度が向上するわけです。

また、VRAM容量については、RTX 4060が8GBモデルのみであるのに対し、RTX 4060 Tiには8GBモデルと16GBモデルの2種類が存在する点が特徴的です。

このVRAM容量の違いがどのような影響をもたらすかについては、後のセクションで詳しく解説いたします。

最後にTGP、つまり消費電力にも目を向けてみましょう。

RTX 4060 TiはRTX 4060に比べて約45Wから50W高くなっています。

これは性能が高い分、より多くの電力を必要とすることを意味しており、電源ユニットの選定やPCケース内の冷却にも関わってくる要素です。

これらのスペックの違いが、実際のゲームプレイやベンチマークスコアにどのように反映されるのか、次の項目からさらに深く掘り下げていきます。

ゲーム性能での有利不利は

スペック表の数字だけでは、実際のゲームプレイでどれほどの差が生まれるのかイメージしにくいかもしれません。

ここでは、4060と4060 Tiのゲームにおける性能差、つまりどちらが有利でどちらが不利なのかを具体的に解説していきます。

結論から言えば、ほとんどのゲームにおいて、RTX 4060 TiがRTX 4060を上回るパフォーマンスを発揮します。

この性能差は、特にグラフィック設定を高くしたり、より高い解像度でプレイしたりする場面で顕著に現れるでしょう。

例えば、人気のバトルロイヤルゲームや、美麗なグラフィックが特徴のAAAタイトルをプレイする場合を考えてみましょう。

フルHD(1920x1080)解像度であれば、RTX 4060でも多くのゲームを高設定で快適にプレイすることが可能です。

しかし、RTX 4060 Tiであれば、さらに高いフレームレートを維持できるため、より滑らかな映像でプレイでき、一瞬の反応が勝敗を分ける対戦ゲームでは有利に働く可能性があります。

具体的には、同じ設定で比較した場合、RTX 4060 TiはRTX 4060よりも平均して15%から25%程度高いフレームレートを記録することが多いようです。

この差は、WQHD(2560x1440)解像度になるとさらに広がります。

WQHDはフルHDよりも描画負荷が高いため、グラフィックボードの地力が試される解像度です。

RTX 4060では設定を中程度まで落とさないと安定したフレームレートを保つのが難しいゲームでも、RTX 4060 Tiなら高設定で快適なプレイが視野に入ってきます。

この解像度でのプレイを主眼に置くのであれば、RTX 4060 Tiの有利さは揺るぎないものとなるでしょう。

ただし、全てのゲームで大きな差がつくわけではありません。

比較的負荷の軽いeスポーツタイトルなどでは、RTX 4060でも十分に高いフレームレートを出すことができるため、性能差を感じにくい場面もあります。

自分のプレイしたいゲームのジャンルや、求めるグラフィック品質、そして使用するモニターの解像度を考慮して、どちらの性能が自分にとって必要十分なのかを見極めることが重要です。

有利不利は、単なる性能の優劣だけでなく、ユーザー自身の利用環境によってその価値が変わってくるというわけですね。

VRAM容量がもたらす影響

VRAM、すなわちビデオメモリの容量は、グラフィックボードの性能を左右する重要な要素の一つです。

4060と4060 Tiの違いを考える上で、このVRAM容量がもたらす影響を理解することは欠かせません。

前述の通り、RTX 4060は8GBモデルのみですが、RTX 4060 Tiには8GBモデルと16GBモデルの二つが存在します。

では、このVRAM容量の差、特に8GBと16GBの違いは、実際の使用感にどのように影響するのでしょうか。

VRAMは、GPUが処理する画像データやテクスチャを一時的に保存しておくための場所です。

ゲームのグラフィックが高精細になればなるほど、また、解像度が高くなればなるほど、このVRAMの使用量は増大します。

もしVRAM容量が不足すると、GPUは低速なメインメモリ(PCのRAM)にデータを読み書きしに行く必要があり、これがパフォーマンスの低下、いわゆる「カクつき」やフレームレートのドロップを引き起こす原因となります。

フルHD(1080p)解像度でのゲーミングであれば、現在の多くのタイトルではVRAM 8GBで十分対応可能です。

しかし、最新のAAAタイトルの中には、最高画質設定にするとVRAM使用量が8GBを超えるものが登場し始めています。

このようなゲームをプレイする場合、VRAMが8GBのRTX 4060やRTX 4060 Ti 8GBモデルでは、テクスチャ品質を一段階下げるなどの調整が必要になる可能性があります。

一方で、WQHD(1440p)以上の高解像度でのプレイや、将来数年にわたって最新ゲームを最高設定で楽しみたいと考えるなら、RTX 4060 Tiの16GBモデルが大きなアドバンテージを持ちます。

16GBという大容量のVRAMがあれば、高解像度のテクスチャを多用するゲームでも容量不足に陥る心配が少なく、安定したパフォーマンスを維持しやすくなるわけです。

また、ゲームだけでなく、動画編集や3Dレンダリングといったクリエイティブな作業においてもVRAM容量は重要です。

高解像度の動画素材を扱ったり、複雑な3Dモデルをレンダリングしたりする際には、大量のVRAMを消費します。

このような用途を想定しているユーザーにとっても、16GBモデルの恩恵は大きいと言えるでしょう。

結論として、VRAM容量は「将来性への投資」という側面も持っています。

現在の主流であるフルHDゲーミングが目的なら8GBでも問題ありませんが、より高解像度でのプレイや、今後のゲームの要求スペック上昇を見越すのであれば、16GBモデルを選択肢に入れる価値は十分にあるのです。

DLSS3対応の恩恵とは

GeForce RTX 40シリーズを語る上で絶対に外せないのが、革新的な描画技術である「DLSS 3」への対応です。

そして、このDLSS 3はRTX 4060とRTX 4060 Tiの両方が対応している、共通の大きな強みと言えます。

では、このDLSS 3がもたらす恩恵とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

DLSSは「Deep Learning Super Sampling」の略で、AIを活用してグラフィックのパフォーマンスを向上させる技術です。

DLSS 3は、従来のDLSS 2が持っていた「超解像(Super Resolution)」技術に加え、新たに「フレーム生成(Frame Generation)」という機能を搭載しているのが最大の特徴です。

  • 超解像 (Super Resolution): まず、ゲームの映像をネイティブ解像度よりも低い解像度でレンダリング(描画)します。そして、AIの力を使ってその映像を高品質にアップスケーリング(拡大)し、ネイティブ解像度と見分けがつかないほどの画質を保ちつつ、フレームレートを大幅に向上させます。
  • フレーム生成 (Frame Generation): こちらがDLSS 3の目玉機能です。AIが前後のフレームを分析し、その間に全く新しいフレームを生成・挿入します。これにより、GPUのレンダリングパイプラインを介さずにフレームを増やすことができ、結果としてフレームレートが劇的に向上するのです。

この二つの技術が組み合わさることで、DLSS 3対応ゲームでは、DLSSをオフにしている時と比較してフレームレートが2倍、3倍、あるいはそれ以上に向上することも珍しくありません。

これは、従来であればグラフィック設定を下げなければ快適なプレイが難しかった高負荷なゲームでも、高設定・高画質を維持したまま、非常に滑らかな映像で楽しめるようになることを意味します。

RTX 4060とRTX 4060 TiはどちらもこのDLSS 3を利用できるため、対応ゲームにおいては旧世代のグラフィックボードを圧倒するパフォーマンスを発揮します。

例えば、RTX 4060でもDLSS 3を有効にすれば、WQHD解像度で多くのAAAタイトルを快適にプレイすることが可能になるでしょう。

同様に、RTX 4060 Tiであれば、4K解像度でのゲーミングも視野に入ってきます。

ただし、注意点もあります。

フレーム生成は新しいフレームを「作り出す」技術であるため、わずかな入力遅延の増加が伴います。

多くのプレイヤーにとっては気にならないレベルですが、コンマ1秒を争うような競技性の高い対戦ゲームでは、NVIDIA Reflexといった低遅延技術との併用が推奨されます。

結論として、DLSS 3はRTX 4060と4060 Tiの価値を飛躍的に高めるキラーフィーチャーです。

この技術の恩恵により、両グラボは自身の持つ素の性能以上のゲーミング体験を提供してくれると言えるでしょう。

ベンチマークスコアで見る実力差

これまでスペックやゲーム性能について解説してきましたが、両者の実力差をより客観的な数値で把握するために、定番のベンチマークソフトのスコアを見ていきましょう。

ベンチマークスコアは、グラフィックボードの純粋な計算性能を測る指標であり、異なるモデル間の性能を比較する上で非常に役立ちます。

ここでは、代表的なグラフィックベンチマークソフトである「3DMark」のスコアを例に挙げて比較します。

3DMarkにはいくつかのテスト項目がありますが、特にDirectX 12の性能を測る「Time Spy」のGraphics Scoreがよく用いられます。

3DMark - Time Spy Graphics Score (WQHD)

一般的に公表されている平均的なスコアは以下のようになります。

  • GeForce RTX 4060: 約 10,500 点
  • GeForce RTX 4060 Ti (8GB/16GB): 約 13,000 点

このスコアを見ると、RTX 4060 TiはRTX 4060に対して約24%高い数値を示していることが分かります。

この差は、これまで述べてきたCUDAコア数の違いなどが素直に反映された結果と言えるでしょう。

この24%という差は、実際のゲームプレイにおけるフレームレートの差にも近い傾向を示すことが多く、無視できない実力差があることを裏付けています。

レイトレーシング性能 - Port Royal

次に、光の反射や屈折をリアルに表現する「レイトレーシング」性能を測る「Port Royal」のスコアも見てみましょう。

RTXシリーズが得意とするこの分野での性能差も重要です。

  • GeForce RTX 4060: 約 6,500 点
  • GeForce RTX 4060 Ti (8GB/16GB): 約 8,000 点

こちらでも、RTX 4060 TiがRTX 4060を約23%上回るスコアを記録しています。

レイトレーシングは非常に負荷の高い処理ですが、RTX 4060 Tiの方がより余裕を持って、高いフレームレートで美しい映像を楽しめる能力があることを示しています。

これらのベンチマークスコアは、あくまで特定の条件下での理論的な性能値ではあります。

しかし、4060と4060tiの違いを数値で明確に示しており、両者の間には平均して20~25%程度の確かな性能差が存在するという客観的な事実を把握することができます。

この性能差を理解した上で、自身の予算や求めるパフォーマンスレベルと照らし合わせ、どちらのモデルが自分にとって最適なのかを判断するための重要な材料となるはずです。

RTX 4060 Tiの16GBモデルと8GBモデルでは、これらのベンチマークスコアにほとんど差は出ません。

スコアの差は主にGPUコア自体の性能に依存し、VRAM容量は特定の高負荷な状況でパフォーマンスの底上げや安定に寄与するため、このような結果となるのです。

 

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用途から考える4060と4060tiの違い

この章のポイント
  • ■価格とコストパフォーマンス
  • ■消費電力と発熱量の比較
  • ■フルHDとWQHDの解像度別
  • ■あなたに合うモデルのおすすめ
  • ■最適なグラボの選び方を解説
  • ■総括:4060と4060tiの違いを理解しよう

価格とコストパフォーマンス

グラフィックボードを選ぶ上で、性能と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが価格とコストパフォーマンスです。

4060と4060tiの違いを理解し、どちらを購入するか最終決定する際には、この要素を避けて通ることはできません。

ここでは、両者の価格帯と、支払う金額に対してどれだけの性能が得られるのか、という観点から比較検討してみましょう。

価格帯の比較

まず、それぞれのモデルの一般的な市場価格を見ていきましょう。

価格はメーカーやモデル、時期によって変動しますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • GeForce RTX 4060: 4万円台後半 ~ 6万円程度
  • GeForce RTX 4060 Ti (8GB): 6万円台前半 ~ 7万円台後半程度
  • GeForce RTX 4060 Ti (16GB): 7万円台前半 ~ 8万円台後半程度

このように、RTX 4060とRTX 4060 Ti (8GB)の間には約1.5万円から2万円ほどの価格差が存在します。

さらに、RTX 4060 Tiの8GBモデルと16GBモデルの間にも1万円程度の価格差が見られます。

RTX 4060とRTX 4060 Ti (16GB)を比較すると、その価格差は3万円近くになることもあります。

この価格差をどう捉えるかが、選択の鍵となります。

コストパフォーマンスの考察

コストパフォーマンス、いわゆる「コスパ」を考える際には、「1円あたりでどれだけの性能が得られるか」という視点が有効です。

前のセクションで見たベンチマークスコアを参考に考えてみましょう。

RTX 4060 TiはRTX 4060よりも約20~25%高性能です。

一方で、価格差は約30~40%程度あります(RTX 4060の最安モデルとRTX 4060 Ti 8GBの最安モデルを比較した場合)。

単純計算すると、性能の向上率よりも価格の上昇率の方がやや大きい傾向にあります。

このことから、純粋なコストパフォーマンス、つまり「安く、そこそこの性能を手に入れる」という点においては、RTX 4060に軍配が上がる場面が多いと言えるでしょう。

しかし、この考え方には注意が必要です。

もしあなたの目的が「WQHD解像度で快適にゲームをプレイすること」である場合、RTX 4060では性能が足りず、設定を妥協せざるを得ないかもしれません。

その場合、目標とする体験を得られないのであれば、いくら安くてもそれは「コスパが良い」とは言えなくなってしまいます。

逆に、RTX 4060 Tiであれば、少し多くの金額を支払うことで、目標としていた快適なWQHDゲーミング環境を手に入れることができます。

この場合、ユーザーの満足度という観点では、RTX 4060 Tiの方が結果的にコストパフォーマンスが高いと感じられるはずです。

結論として、絶対的な価格の安さと、性能あたりの価格で言えばRTX 4060が優れています。

しかし、特定の性能目標(例:WQHDでの高設定プレイ)を達成するための投資と考えるならば、RTX 4060 Tiの価格差は十分に正当化されるものだと言えるでしょう。

自分の予算と、達成したいパフォーマンスレベルを天秤にかけ、慎重に判断することが求められます。

消費電力と発熱量の比較

グラフィックボードの性能や価格だけでなく、消費電力とそれに伴う発熱量もPC全体の安定性や運用コストに関わる重要な要素です。

特に、PCケースのサイズが小さかったり、静音性を重視したりする場合には、これらの違いをしっかりと把握しておく必要があります。

4060と4060 Tiは、どちらもAda Lovelaceアーキテクチャの恩恵により、前世代の同クラスの製品と比較して非常に優れた電力効率を誇りますが、両者の間には明確な差が存在します。

TGP (Total Graphics Power) の違い

グラフィックボードの消費電力の指標となるのがTGP(Total Graphics Power)です。

  1. GeForce RTX 4060: 115W
  2. GeForce RTX 4060 Ti (8GB): 160W
  3. GeForce RTX 4060 Ti (16GB): 165W

ご覧の通り、RTX 4060 TiはRTX 4060よりも約45Wから50W高いTGPとなっています。

これは性能差を考えれば当然の結果ですが、いくつかの点で考慮すべき影響があります。

電源ユニット(PSU)への影響

まず、要求される電源ユニットの容量が変わってきます。

NVIDIAが推奨するシステム全体の電源容量は、RTX 4060搭載PCで550W、RTX 4060 Ti搭載PCで600Wから650W程度とされています。

現在お使いのPCからグラフィックボードを交換(換装)しようと考えている場合は、ご自身の電源ユニットの容量が足りているかを確認する必要があります。

特に、メーカー製PCなど、容量に余裕のない電源が搭載されている場合は注意が必要です。

容量が不足していると、高負荷時にPCがシャットダウンするなどの不安定な動作を引き起こす可能性があります。

発熱量と冷却への影響

消費電力が大きいということは、それだけ発熱量も多くなるということです。

RTX 4060 TiはRTX 4060よりも多くの熱を発するため、PCケース内のエアフロー(空気の流れ)が重要になります。

ケースが小さく、内部の空気の循環が悪いと、グラボから発せられた熱がこもってしまい、性能低下(サーマルスロットリング)や、他のパーツの寿命を縮める原因にもなりかねません。

特にコンパクトなMini-ITXケースなどで自作PCを組む場合は、より低消費電力で発熱の少ないRTX 4060の方が扱いやすいと言えるでしょう。

もちろん、RTX 4060 Tiも電力効率は非常に優秀なため、過度に心配する必要はありません。

多くのグラボメーカーから冷却性能の高いオリジナルファンモデルが発売されており、適切なエアフローが確保された一般的なミドルタワーケースであれば、全く問題なく運用できます。

まとめると、消費電力と発熱の観点からはRTX 4060の方が優れており、電源や冷却に制約がある環境では有利です。

一方、RTX 4060 Tiを選ぶ場合は、電源容量の確認と、PCケース内の適切な冷却環境を整えることを意識すると、その性能を最大限に引き出すことができるでしょう。

フルHDとWQHDの解像度別

これまで見てきたスペック、性能、価格といった要素を踏まえ、最終的にユーザーが最も知りたいのは「自分の使い方ではどちらがベストなのか」ということでしょう。

その判断基準として最も分かりやすいのが、ゲームをプレイする際の「モニター解像度」です。

ここでは、現在主流となっているフルHD(1920x1080)と、より高精細なWQHD(2560x1440)の2つの解像度に分けて、それぞれどちらのグラボが適しているかを解説します。

フルHD (1920x1080) での使用

フルHDは、現在最も普及しているゲーミングモニターの解像度です。

この解像度をメインに考えているのであれば、GeForce RTX 4060は非常に優れた選択肢となります。

RTX 4060は、ほとんどの最新ゲームをフルHD解像度、かつ高設定で、平均60fps以上の快適なフレームレートでプレイする能力を持っています。

特に、Apex LegendsやVALORANTのようなeスポーツタイトルであれば、144fpsや240fpsといった高いフレームレートを維持することも可能で、高リフレッシュレートモニターの性能を存分に引き出すことができます。

もちろん、RTX 4060 Tiを使えばさらに高いフレームレートを目指せますが、RTX 4060でも十分に快適な体験が得られるため、コストパフォーマンスを重視するならRTX 4060が最適解となるケースが多いでしょう。

DLSS 3を活用すれば、レイトレーシングを有効にした重いゲームでも、高フレームレートを維持したまま美しいグラフィックを楽しむことも可能です。

WQHD (2560x1440) での使用

一方、WQHDはフルHDよりも約1.8倍の画素数を持つ、より高精細な解像度です。

美麗なグラフィックのゲームをより高い没入感で楽しみたいユーザーから人気が高まっています。

このWQHD解像度でのゲーミングを主眼に置くのであれば、GeForce RTX 4060 Tiが断然おすすめとなります。

WQHDになると描画負荷が格段に上がるため、RTX 4060では最新のAAAタイトルを高設定で安定して60fps以上を維持するのが難しくなってくる場面が出てきます。

設定を中程度まで落とすなどの妥協が必要になるかもしれません。

それに対して、RTX 4060 TiはWQHD解像度をターゲットとして設計されており、多くのゲームを高設定で快適にプレイできるパワーを持っています。

特に、VRAMを多く消費するゲームでは、RTX 4060 Tiの16GBモデルが真価を発揮します。

将来的に登場するであろう、さらに要求スペックの高いゲームにも余裕を持って対応できる可能性が高まります。

まとめると、以下のように棲み分けることができます。

  • フルHDがメインのユーザー: コストパフォーマンスに優れるRTX 4060がおすすめ。
  • WQHDがメインのユーザー: 快適なプレイ体験のためにRTX 4060 Tiがおすすめ。特に将来性も考慮するなら16GBモデルが魅力的。

ご自身のモニター環境と、将来的なアップグレードの予定などを考慮して、最適な一枚を選びましょう。

あなたに合うモデルのおすすめ

これまでの比較を通じて、4060と4060tiの違いはかなり明確になったかと思います。

しかし、それでもまだ迷っている方のために、具体的なユーザータイプ別にどちらのモデルが合っているのかを、改めておすすめとして提示します。

ご自身のプレイスタイルやPCの使用目的に最も近いものを選んで、最終的な判断の参考にしてください。

タイプ1:コストを抑えて最新世代の性能を体験したい「コスパ重視ゲーマー」

→ おすすめ:GeForce RTX 4060

「最新のゲームを遊びたいけれど、PCパーツにあまり多くの予算はかけられない…」と考えている方には、RTX 4060が最適です。

フルHD環境であれば、ほとんどのゲームを快適にプレイできる十分な性能を持ちながら、価格は4060 Tiよりも数万円安く抑えられています。

DLSS 3という最新技術の恩恵も受けられるため、旧世代のミドルクラスグラボからの乗り換え先として、最もコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。

消費電力が低い点も、電源ユニットの心配が少なく、運用コストを抑えたい方にとっては嬉しいポイントです。

タイプ2:WQHDモニターで高画質・高フレームレートを楽しみたい「本格ゲーマー」

→ おすすめ:GeForce RTX 4060 Ti (8GB / 16GB)

「せっかくならWQHDの高精細なモニターで、グラフィック設定にも妥協したくない」という本格的なゲーマーには、RTX 4060 Tiが断然おすすめです。

RTX 4060よりも20%以上高い性能は、WQHD解像度での快適なゲームプレイを実現します。

特に、レイトレーシングを有効にして美麗なグラフィックを楽しみたい場合や、常に安定した高フレームレートを維持したい場合には、この性能差が大きな満足度の違いとなって現れます。

8GBモデルと16GBモデルのどちらを選ぶかは、予算と将来性への投資をどう考えるか次第です。

現時点での多くのゲームは8GBでも十分ですが、今後数年間、VRAM容量を気にせずに最新ゲームを遊びたいのであれば、16GBモデルを選ぶ価値は十分にあります。

タイプ3:ゲームも動画編集もこなしたい「クリエイター予備軍」

→ おすすめ:GeForce RTX 4060 Ti (16GB)

ゲームだけでなく、動画編集や配信、3Dモデリングといったクリエイティブな作業にもPCを活用したいと考えている方には、RTX 4060 Tiの16GBモデルを強く推奨します。

これらの作業では、GPUの演算性能はもちろんのこと、大容量のVRAMが非常に重要になるからです。

高解像度の動画素材をタイムラインに並べたり、複雑なエフェクトをかけたりする際、VRAMが豊富にあることでプレビューがスムーズになり、レンダリング(書き出し)時間も短縮される傾向にあります。

ゲーム性能の高さに加えて、クリエイティブ作業の快適さも手に入れられるため、まさに一石二鳥の選択と言えるでしょう。

最適なグラボの選び方を解説

4060と4060 Tiのどちらにするか、おおよその方向性は決まったかもしれません。

しかし、グラフィックボード選びはそれで終わりではありません。

同じRTX 4060やRTX 4060 Tiという名前でも、様々なメーカーから多数のモデルが発売されており、それぞれに特徴があります。

ここでは、最終的に「どのメーカーの、どのモデルを買うか」を決めるための、最適なグラボの選び方を解説します。

1. 冷却性能と静音性で選ぶ

グラフィックボードは高負荷時にかなりの熱を発するため、それを効率的に冷やすための冷却機構が非常に重要です。

冷却性能は、搭載されているファンの数(2連ファンか3連ファンか)、ヒートシンクの大きさ、ヒートパイプの設計などによって決まります。

  • 3連ファンモデル: 一般的に冷却性能が高く、GPU温度を低く保ちやすいです。ファンを低速で回転させても十分な冷却ができるため、結果的に静音性にも優れる傾向があります。ただし、ボード自体が長くなるため、PCケースに収まるかサイズの確認が必須です。
  • 2連ファンモデル: 最も標準的なモデルです。多くのミドルタワーケースに問題なく収まるサイズ感が魅力です。冷却性能も十分確保されていますが、高負荷が長時間続くとファンの回転数が上がり、やや音が気になる場合もあります。
  • 1ファン・ブロワーファンモデル: コンパクトなケース向けのモデルです。冷却性能や静音性は多連ファンモデルに劣りますが、サイズが小さいことが最大のメリットです。

PCケースのスペースに余裕があり、静音性を重視するなら3連ファンモデル、バランスと汎用性を求めるなら2連ファンモデルがおすすめです。

2. ボードのサイズを確認する

意外と見落としがちなのが、グラフィックボード本体の物理的なサイズ(長さ、高さ、厚さ)です。

特に高性能なモデルほど大型のクーラーを搭載しているため、長くなりがちです。

購入してから「PCケースに入らなかった…」という悲劇を避けるために、必ず事前に以下の2点を確認しましょう。

  1. 購入したいグラフィックボードの製品ページの仕様欄で、本体サイズ(寸法)を調べる。
  2. 自分のPCケースの仕様欄で、搭載可能なグラフィックボードの最大長を調べる。

PCケースのスペックには必ず「最大グラフィックスカード長」といった項目が記載されています。

この数値よりも短いグラボを選ぶようにしてください。

3. メーカーの信頼性や保証期間で選ぶ

グラフィックボードは高価なパーツであり、長く使うものですから、メーカーの信頼性や保証期間も重要な選択基準です。

ASUS、MSI、GIGABYTEといった大手メーカーは、品質も高く、サポート体制も比較的しっかりしているため、初心者の方でも安心して選びやすいでしょう。

また、メーカーによって保証期間が1年だったり、ユーザー登録をすることで3年に延長されたりと異なります。

万が一の故障に備えて、保証期間が長い製品を選ぶというのも賢い選択です。

これらのポイントを踏まえ、自分のPC環境とニーズに最も合った一枚を見つけ出すことが、後悔のないグラフィックボード選びにつながります。

総括:4060と4060tiの違いを理解しよう

この記事では、GeForce RTX 4060とRTX 4060 Tiという、多くのゲーマーが注目する2つのグラフィックボードについて、その違いを多角的に掘り下げてきました。

スペックの数値から始まり、実際のゲーム性能、価格、消費電力、そしてユーザーの用途に応じた選び方まで、様々な角度から比較を行いました。

ここで、これまでの内容を改めて整理し、4060と4060tiの違いについての理解を確固たるものにしましょう。

まず、両者の間には根本的な性能差が存在します。

CUDAコア数に代表されるスペックの違いにより、RTX 4060 TiはRTX 4060よりも平均して20%から25%高いパフォーマンスを発揮します。

この性能差は、特にWQHDのような高解像度でのゲーミングにおいて、快適さを左右する大きな要因となることを確認しました。

一方で、価格とコストパフォーマンスの観点では、より安価なRTX 4060に魅力があります。

フルHD解像度での使用をメインに考え、予算を抑えたいユーザーにとっては、RTX 4060は非常にバランスの取れた選択肢です。

DLSS 3という強力な武器を共有しているため、RTX 4060でも最新ゲームを十分に楽しむことが可能です。

また、消費電力と発熱が少ない点も、PCの安定運用や静音性を重視する上で見逃せないメリットと言えるでしょう。

最終的にどちらを選ぶべきか、その答えは一人ひとりのユーザーの「目的」と「環境」によって異なります。

あなたがどのような解像度で、どのようなゲームを、どれくらいの快適さでプレイしたいのか。

そして、PCにかけられる予算はどれくらいで、PCケースや電源にはどのような制約があるのか。

これらの要素を一つひとつ整理し、本記事で解説した4060と4060tiの違いに関する情報を当てはめていくことで、あなたにとっての「正解」が自ずと見えてくるはずです。

この2つのグラフィックボードは、同じ「4060」の名を冠しながらも、それぞれに異なる個性と得意分野を持っています。

その違いを正しく理解し、自分の使い方に最適なパートナーを選ぶことが、これからのPCライフをより豊かで楽しいものにするための第一歩となるでしょう。

この記事のまとめ
  • ➤RTX 4060 TiはRTX 4060より約20-25%高性能
  • ➤主な性能差はCUDAコア数に起因する
  • ➤フルHDならRTX 4060で多くのゲームが快適
  • ➤WQHDならRTX 4060 Tiが推奨される
  • ➤価格はRTX 4060の方が数万円安い
  • ➤コストパフォーマンスは使い方によって評価が変わる
  • ➤RTX 4060 Tiには8GBと16GBのVRAMモデルがある
  • ➤高解像度や将来性を見据えるなら16GBモデルが有利
  • ➤両モデルともDLSS 3に対応している点が強み
  • ➤消費電力と発熱はRTX 4060の方が低い
  • ➤電源やPCケースに制約がある場合はRTX 4060が扱いやすい
  • ➤クリエイティブ作業にはVRAMの多い4060 Ti 16GBが適している
  • ➤最終的な選択は解像度と予算で決めるのが基本
  • ➤メーカーごとの冷却性能やサイズも要チェック
  • ➤4060と4060tiの違いを理解して後悔のない選択を

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